#000 和歌と私
中学生くらいの頃、古文が嫌いでした。
源氏物語も大して面白くないし、古典文法を覚えるのが面倒くさすぎる。
授業中ぼんやりと国語の資料集を眺めているそんな学生でした。
そんな私が和歌を好きになったきっかけは、
小学館から出ている「日本の古典を読む」シリーズを図書館で
手にとったことでした。
和柄の可愛らしいハードカバーで紙質が良くて、
つい借りてしまったんです。
借りたのは確か、新古今和歌集でした。
現代語訳がついていて、読みやすく、1日程度であっさり読めてしまったような気がします。
その古文を読んでいてふと、当時の中学生くらいの私はこう思ったんです。
なんか、和歌に込められた気持ち、ちょっとわかるかも。
当時の人たちは、直接誰かに「好きです」と言うことは常識的にはしたなくて叶わなかった。だからこそ、四季の花々や動物になぞらえて形容することが、好きな人への想いを伝える最大限の在り方だったのではないか、と。
そう思たときに、ふと古文・和歌と私の距離が縮まったように思います。
それ以来、古典文学にハマり、古文は私の好きな分野になりました。
大学では文学部にこそ行かなかったものの、今でも新聞で和歌の記事があると、切り抜いて読み入ってしまいます。
ここでは、私が気に入った和歌を紹介して、その背景にある歌い手の想いに気持ちを馳せてみようと思います。